GIMP 髪の毛を切り抜いてみよう

GIMP 髪の毛を切り抜いてみよう

GIMPを使って人物写真の髪の毛の細かい部分をきれいに切り抜いて背景を透過(透明)する作業は、少し手間がかかり難易度が高い気がしますね。でも切り抜く作業のコツをつかめば、そんなに手間のかかる作業ではないです。

今回は海外サイトを参考にして、クオリティが期待できそうな方法で髪を切り抜く手順をご紹介します。

ではさっそく一緒に、画像を編集してみましょう。

髪の毛を切り抜く方法

髪の毛を切り抜く比較

ここでは、背景色が単一の画像に適した切り抜き方法をご紹介しています。

以下の手順に沿って、髪の毛の細かい部分を切り抜いてみましょう。

画像を開こう

まずはいつものようにGIMPを起動して、髪の毛を切り抜きたい画像を開きましょう。

今回は、髪がなびいた女性の写真を用意しました。

髪がなびいた女性の写真

アルファチャンネルを追加しよう

はじめにレイヤーダイアログから開いた元画像レイヤーの上にマウスポインタを持っていき右クリックしてアルファチャンネルの追加をクリックしましょう。

アルファチャンネルを追加するとレイヤー名が太字から通常に変わります。これは、このレイヤーが透明になるようになったことを示しています。
アルファチャンネルの追加をクリック

画像を複製しよう

次に、用意した画像を複製しましょう。

元画像レイヤーを選択し、右クリックしてレイヤーの複製を選択しましょう。

女性の画像を複製

これで、画像を複製(コピー)することができました。

画像が複製された

脱色しよう

つぎは画像を脱色しましょう。

画像を複製することができたら、メニューバーから脱色脱色を選択して、複製(コピー)した画像を白黒(モノクロ)にしましょう。

脱色をクリック

脱色のダイアログが開きます。

モードの設定をプルダウンメニューから「Luma」を選び「OK」をクリックしましょう。

写真素材によってモードの設定は変わります。
Lumaを選択

脱色を適用すると、複製(コピー)した画像が白黒(モノクロ)になりました。

女性の画像がモノクロに

トーンカーブの調整をしよう

複製(コピー)した画像を白黒(モノクロ)にすることができたら、メニューバーからトーンカーブをクリックしましょう。

トーンカーブをクリック

「トーンカーブ」のダイアログが開きます。

プレビューを見ながら、なるべく白と黒の区別をはっきりさせるように調整して「OK」をクリックしましょう。

白黒の区別を意識しすぎて、髪の毛の先がなくなったりしないように、画像を拡大したりしながら上手く調整しましょう。
トーンカーブの調整

トーンカーブの調整で、白と黒の区別ができました。

白と黒の区別

階調の反転をしよう

次に、画像をネガフィルムのようにするため階調の反転をしましょう。

メニューバーから階調の反転をクリックして画像をネガフィルムのようにしましょう。

階調の反転をクリック

階調の反転をクリックすることで、髪の毛が白色、背景が黒色になりました。

階調の反転を実行

複製したレイヤーを非表示にしよう

反転することができたら、レイヤーダイアログから複製(コピー)したレイヤーの目のアイコン目のマークをクリックして非表示にしておきましょう。

目のアイコンをクリックして非表示に

パスで大まかに囲おう

複製(コピー)したレイヤーを非表示にすると下にある元の画像が見えます。ツールボックスから「パスパスツールアイコン」ツールを選び、画像を拡大し輪郭を見やすいようにして、体の部分は丁寧に、髪の毛の部分は大まかに囲っていきましょう。

キーボードのCtrlキーを押しながらマウスホイールを回すことで画像を拡大縮小することができます。
パスツールを選択して選択範囲を作成
髪の部分は、ある程度大まかでもかまいません。
髪はある程度大まかに
顔や体の輪郭は丁寧にしましょう。
顔は丁寧に囲う

体の輪郭は丁寧にしましょう。

体は丁寧に
腕の内側もパスツールで囲う

パスツールを使って、髪の毛の部分は大まかに、顔や体は丁寧に囲うことができました。

パスツールで囲う

パスで一周囲うことができたら、次にメニューバーから選択パスを選択範囲にをクリックしましょう。

キーボードのShift+Vを押すことでもパスを選択範囲にすることができます。また、パスのツールオプションからパスを選択範囲することもできます。
パスを選択範囲に

パスを選択範囲にをクリックすることで、選択範囲が作成されました。

選択範囲が作成

複製(コピー)したレイヤーの画像を表示しよう

複製(コピー)したレイヤーは非表示になっているので目のアイコン目のマークをクリックして表示させましょう。

目のアイコンをクリックして表示

白で塗りつぶそう

次に、ツールボックスから「塗りつぶし塗りつぶしツールアイコン」ツールを選び、「描画色」を「白(#FFFFFF)」にしましょう。

描画色を白にして塗りつぶしツールを選択

塗りつぶしツールのツールオプションから塗りつぶし色を「描画色塗りつぶす範囲を「選択範囲」に設定しましょう。複製(コピー)したレイヤーが選択中(アクティブ)なのを確認して、マウスポインタを選択範囲に持っていき、ポインタが塗りつぶしのマウスポインタに変わったらクリックして白(#FFFFFF)で塗りつぶしましょう。

描画色を選択範囲にドラッグすることでも塗りつぶすことができます。
ツールオプションを設定し選択範囲を塗りつぶす

選択を解除しよう

塗りつぶすことができたら、メニューバーから選択選択を解除しましょう。

キーボードのShift+Ctrl+Aを押すことでも選択を解除することができます。
選択を解除

もう一度トーンカーブで調整しよう

もう一度メニューバーからトーンカーブをクリックしましょう。

トーンカーブをクリック

トーンカーブの調整ダイアログが開きます。プレビューを見ながら毛先を意識し白黒を微調整して「OK」をクリックしましょう。

トーンカーブで調整

ブラシで調整しよう

トーンカーブで調整することができたら、ツールボックスから「ブラシブラシで描画アイコン」ツールを選び、描画色を黒色(#000000)に、ブラシのツールオプションからブラシの形状を2. Hardness 100に、ブラシのサイズを調整してトーンカーブで黒の調整ができなかったところをブラシで塗りましょう。

キーボードの[ レフト・ブラケット] ライト・ブラケットを押すことでもブラシのサイズを調整することができます。
ブラシツールで調整

こんどは描画色を白色(#FFFFFF)に設定し黒色のときのようにブラシの形状を2. Hardness 100、ブラシのサイズを調整してトーンカーブで白の調整ができなかったところをブラシで塗りましょう。

白い部分をブラシで修正

レイヤーマスクを追加しよう

白黒の調整ができたら、元の画像レイヤーを選択中(アクティブ)にし、右クリックしてレイヤーマスクの追加をクリックしましょう。

レイヤーマスクの追加をクリック

レイヤーマスクの追加ダイアログが開きます。レイヤーマスクの初期化方法を「完全不透明(白)」を選び「追加」をクリックしましょう。

レイヤーマスクの追加ダイアログ

「追加」をクリックすると、元の画像レイヤーの横にレイヤーマスクが追加されました。

レイヤーマスクの追加

切り取ろう

レイヤーマスクを追加することができたら、複製(コピー)したレイヤーを選択中(アクティブ)にし、メニューバーから編集切り取りをクリックしましょう。

キーボードのCtrl+Xを押すことでも切り取りすることができます。
切り取りをクリック

切り取りをクリックすると、レイヤーダイアログから複製(コピー)したレイヤーが無くなります。

切り取りの実行後

貼り付けよう

つぎにメニューバーから編集貼り付けをクリックしましょう。

キーボードのCtrl+Vを押すことでも貼り付けすることができます。
貼り付けをクリック

貼り付けたレイヤーを固定しよう

貼り付けすることができたら、レイヤーダイアログに「フローティング選択範囲(張り付けられたレイヤー)」が作成されます。張り付けられたレイヤーが選択中(アクティブ(操作できるレイヤー))になっていることを確認して、「フローティングレイヤーを固定(イカリのマーク)フローティングレイヤーを固定アイコン」をクリックしましょう。

フローティングレイヤーを固定

張り付けられたレイヤーがレイヤーマスクに固定されました。

フローティングレイヤーがレイヤーマスクに固定

出来上がり

これで、髪の毛を切り抜くことができました。

髪の毛を切り抜き完成

この切り抜いた画像に、海の背景を合成してみました。

髪の毛を切り抜いて完成した画像

おわりに

GIMPを使って髪の毛の細かい部分を切り抜く方法をご紹介しました。わたしも、いろいろな方法で髪の毛の切り抜きに挑戦してきましたが、コツをつかめばこの方法がきれいに切り抜けると実感しました。みなさんも是非試してみてださいね。

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